テレワークをする機会が増え、自宅のデスクで仕事をしていると、つい姿勢が悪くなってしまう方も多いのではないでしょうか。デスクワークは猫背になりやすく、姿勢の悪さは肩こりや腰痛など、さまざまなトラブルの元になってしまうことも! 今回は姿勢を正すだけで健康になるポイントをお伝えします。
■なぜ姿勢が悪くなる? 体への影響は?
姿勢が悪くなる理由や、体に及ぼす悪影響について見ていきましょう。
●姿勢が悪くなるのはそのほうが楽に感じてしまうから
長く座っていると、しだいに猫背などの悪い姿勢になってしまいませんか。悪い姿勢は血管や神経を圧迫して体に負担がかかります。楽な姿勢が体に良いわけではないということは、覚えておきたいポイントです。
●姿勢が悪いと筋肉がうまく使えない
良い姿勢を保つためには筋肉を正しく使う必要がありますが、姿勢が悪いと筋肉を適切に使えないのです。人には生活習慣の中で「よく使う筋肉」と「あまり使っていない筋肉」があります。姿勢を正して両者のバランスをとり、筋肉を適度に動かすよう普段から心がけることが健康への第一歩です。
姿勢の良さは見た目の問題だけではなく、健康を保つためにも重要な役割を果たしていることを忘れないでくださいね。
■姿勢が悪いと起こること
姿勢の悪さが原因で起きる症状を5つご紹介します。
●肩こり
デスクワークなどでずっと同じ姿勢を取り続けることは肩こりの原因の1つです。仕事中でも同じ姿勢が長く続かないよう肩の運動をしたり、肩を温めて血行を良くしたりすることで予防できるので、意識的に取り入れてみましょう。
●腰痛
腰痛の原因はさまざまありますが、猫背や腰の筋肉の緊張、運動不足による筋力の弱まりなどが原因となることもあります。内臓系の疾患から腰痛が引き起こされることもあるので、「たかが腰痛」と放っておかず、姿勢や生活習慣を正してみて、症状が治まらなければ病院の受診も検討してみましょう。
●代謝機能の低下
人間はただ座っているだけでもエネルギーを消費していますが、正しい姿勢でないとエネルギーの消費量が落ちてしまいます。姿勢が悪いと代謝も悪くなり、脂肪もたまりやすくなってしまいます。ダイエットを考えるなら、まずは姿勢を正しましょう。
●頭痛
「緊張型頭痛」と呼ばれる頭痛を引き起こす原因の1つは、姿勢の悪さにあると言われています。長時間同じ姿勢をとることで、頭や肩の筋肉が緊張して血流が悪化。さらに筋肉の中に老廃物が溜まって周囲の神経が刺激されてしまうため、頭痛が起こるのです。「緊張型頭痛」には、ストレッチやマッサージなどで肩と首の血行を良くすることが有効ですよ。
●内臓機能の低下
猫背になっていると内臓は上から押さえつけられてしまい、本来の位置から下にズレてしまいます。やがて肺の形が変わってしまい、周辺の臓器にまで影響が出てくることがあります。姿勢の悪さは食後のむかつきや便秘、呼吸のしづらさなど、さまざまな内臓機能の症状を引き起こしてしまう危険があります。
■パターン別! 姿勢を正すための3つの方法
正しい姿勢を意識しなければならないのは、座っているときだけではありません。立っているときや歩いているときも、良い姿勢が大事。パターン別のポイントを解説します。
●座っているとき
座るときは「座骨」を意識してみましょう。座骨とは骨盤の1番下にある、とがった骨のこと。この座骨が立つように座るのがポイントです。これまで背もたれがないと辛く感じていた人も、この座り方をマスターすると背もたれなしでも楽に感じられるでしょう。
●立っているとき
正しい立ち方は、耳・肩・骨盤の横・くるぶしが一直線に並ぶ姿勢です。腰はほどよく湾曲していますが、決して反りすぎない立ち方です。正しい立ち方をマスターするには、壁に頭とお尻をつけて立ち正しい姿勢を体で覚えることをおすすめします。日ごろから正しく立つよう心がけましょう。
●歩いているとき
歩いているときに正しい姿勢を保つには、体幹を意識しましょう。頭を糸で引っ張られているような感覚で体の軸を安定させ、足だけではなく腰から歩くようにします。左右どちらかの筋肉だけ使うクセがついている人は、まっすぐに歩けないこともあるようです。自分の歩き方をよく観察して、使っていないほうの筋肉を使うよう意識してみてくださいね。
■姿勢を正して仕事も快調に!
姿勢は生まれつきのものではなく、長年の生活習慣の中で身につくものです。姿勢が悪いと、内臓や筋肉など体中に悪影響を及ぼします。意識次第で直せる場合もあるので、この記事でご紹介したポイントを今日からぜひ実行してみてくださいね。(※)
※背骨の病気や股関節、膝関節などの問題によって悪い姿勢になっている場合は、適切な治療が必要です。専門医などにご相談ください。