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2019/9/8

第8回 投資初心者でも始めやすい、浮いたお金で資産運用

第8回 投資初心者でも始めやすい、浮いたお金で資産運用

●資産運用を始めるときの目安は、貯蓄の額

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スビィくん

前回は、家計改善というテーマでしたが、改善されて、浮いたお金を資産運用したくなった場合、まずはどうすれば良いでしょうか?

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風呂内先生

よく、どれくらい貯蓄があれば、投資を始めても良いかという質問を受けます。あくまで目安ですが、貯蓄が生活費の半年分〜500万円位までの方は、運用を迷っていいゾーンではないかと思います。500万円以上の貯蓄がある方に関しては、何かの金融商品に取り組むと良いのではないかと思います。
特に会社に勤めている人の場合では、貯蓄が生活費の約半年分を超えたら、運用商品の購入を考えても良いのではないでしょうか。
不安で仕方がない人は資産運用をしなくても良いかと思いますが、向こう10年位使う予定がない場合などに関しては、放置しておくと増えないので、勿体ない気がします。

●金融商品の「流動性」「安全性」「利殖性」の3つの特徴を分析!

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なるほど。貯蓄額や生活費とのバランスが目安になるんですね。
金融商品は沢山あって、どれから始めるのが良いか分からないんですが、どんな風に選べばよいでしょうか?

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金融商品には、それぞれ、性格があるので、「流動性」「安全性」「利殖性」の3つの特徴についてそれぞれの強み・弱みを知っておくと、自分に合うものを選びやすくなります。1つ目の「流動性」は、すぐに使えることを指します。売れればすぐに現金化できる商品は流動性が高いと言えます。2つ目の「安全性」は、元本が割れにくく守る事に優れていることを指します。3つ目の「利殖性」は、資産を増やせる可能性の高さを示します。

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例えば、預貯金の場合、いつでも使えるので「流動性」は◎、元本は保証されるので「安全性」は○、「利殖性」は△あるいは×と分類できます。一方、株式では、「流動性」は○、「安全性」は△あるいは×になるかと思います。でも、「利殖性」は期待できるので、○や◎になります。1つの金融商品の3つの性格全てが◎になる事は基本的にありません。例えば、預貯金で保管しながら大きく増えることは期待できません。
「流動性」「安全性」「利殖性」の何を重視して金融商品を選ぶかということが非常に大切なポイントです。

●投資初心者はどうやって始めたらいいですか?

株チャート画面のPC


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僕は、ずっと投資を始めたいと思いながらなかなか勇気が出なくて、始められていないんです。
風呂内先生は、一番最初に何を始めましたか?

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私の場合、一番最初の投資の資金は、とにかく一番小さい単位で色々な金融商品を購入してみようということで、合計しても10数万円でした。今は、上場していませんが、当時スターバックスジャパンの株式がまだあって、6万円位で買えたので1単元分買いました。あとは、郵便局が投資信託を発売し始めた時期だったので、1万5,000円だけ買い切りで買い、外貨預金を1万円ずつ5ヵ国買いました。一番小さい単位で、色々な商品を買ってみたんです。

●株を少額から始められるスマホ証券

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1つの商品に集中するのではなく、初めは、小さい単位で始めるのが良いんですね!
それでは、始めやすい株ってなにかありますか?

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通常、株は1単元(100株)ずつで取引しますが、スマホ証券などでは、1,000円からなど少額で始められるものも出てきています。 ただ、スマホで小口で取引するというと割安にできそうなイメージですが、総じて若干手数料が割高と感じるものが多いです。
これは、本来、沢山お金を持っている人がどーんとお金を預けるから安い手数料で取引できていたものを、わざわざ小口に刻んで、皆ができるようにする手間がかかっている分、コストがかかっているためです。株を購入する方はこれらを理解して利用する必要がありますね。
コストがかかり続けるのも不本意なので、初めのうちは、少額の金額でリスクをコントロールしながら、色んな金融商品を試せるという利点を活かして勉強すると共に資金を増やし、ゆくゆくは、まとまった単位で取引できるようになることを目指すといいと思います。スマホ証券などでも投資額が大きくなれば、相対的に手数料の比率が低くなるサービスもあります。

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こういうのを楽しめる人じゃないといけないですね。

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そうですね。ただ、多くの人は投資に興味がないですし、投資は人生の目的ではないため、できるだけエネルギーを注ぎたくないですよね。
例えば、毎月5万円貯蓄しようと目標を定める場合、そのうちの1割だけ(5,000円だけ)を投資信託で毎月買うといったやり方もいいですね。今は、毎月100円からでも積み立てができるような商品もあるので、最低金額で試してみて、確認してから増額するというのもいいですよね。

●少額で始められて、銘柄選びをおまかせできる投資信託

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最近よく聞く投資信託の特徴を教えてください。

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投資信託は、株と比べて、手持ちの資金が多くなくても複数の銘柄を購入できるのが特徴です。
株の場合、それぞれの銘柄について、いつが買い時でいつが売り時かを自分で判断しなければいけないという手間がかかりますが、投資信託の場合は、個別の商品の売買をファンドマネージャーに任せることができるため、手間をかけずに少額で分散投資することもできます。

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少額から始められて自分で銘柄を選ぶ必要が無いのは、良いですね。
今、投資信託の手数料がかなり下がっていると聞いていますが、どうなんでしょうか?

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そうですね。 昔は、国内株式の投資信託の信託報酬が0.5%を切っているとなかなか良いといわれていましたが、今は、0.2%を切っているものも出てきています。また、日本で投資信託というと6,000本以上ありますが、つみたてNISAは金融庁が長期的な運用に向く条件を定めて、160本程度に絞り込んでいますから、国内や先進国など投じたいカテゴリーさえ決まれば、概ね絞り込めます。初めての人が選びやすい環境は整ってきていますよね。

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●海外旅行でお得な外貨

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外貨の購入については、どうですか?

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以前、1ドル102円の時に米ドルを幾らか買っていて、それを先日、旅行の時に使ったんです。旅の最中のレートが111円〜112円くらいだったので、レートだけ比較しても有利ですよね。

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ところで、海外旅行中のクレジットカードの決済で日本円と現地通貨、どちらにしますかと聞かれることがありますが、その際に、うっかり日本円でって言うとレートが高くなることが多いんです。私が旅行の際に言われた日本円で支払う場合のレートは1ドル120円でした。
360ドルをクレジットカードで支払うシーンがあったのですが、1ドル102円で買った外貨預金残高で支払いました。これをうっかり日本円での支払いを選択したケースと比べると、6500円も節約できたことになります。
外貨は、円高の時に買っておいて、その残高が直接使えるようなサービスであれば、利用しやすいと思います。投資というよりは、家計のコツみたいな付き合い方になりますね。

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よく海外旅行に行く人には、外貨預金も良いですよね。

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そうですね。旅行に人気の東南アジアの通貨は資産運用に向いていないため、旅行と外貨預金を兼ねるのは難しいところもありますが、ドルは使いやすいですよね。

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僕もお得に海外旅行をしてみたいです!
今日のお話を聞いて、資産運用を始めるハードルが少し下がりました!
ありがとうございました。

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◆風呂内亜矢氏(ファイナンシャル・プランナー)プロフィール◆

1級ファイナンシャル・プランニング技能士、CFP®認定者、宅地建物取引士、全国銀行協会 金融経済教育活動懇談会委員
貯蓄80万円しかもたずマンションを衝動買いしたことをきっかけにお金の勉強を始め、2013年にファイナンシャル・プランナーとして独立。
テレビ、ラジオ、雑誌、新聞などで「お金に関する情報」を精力的に発信している。
『あさイチ』(NHK)、『有吉弘行のダレトク!?』(フジテレビ)などのテレビ出演のほか、NIKKEI STYLE『マネー研究所』、読売新聞『OTEKOMACHI』、東洋経済オンライン等でコラムも連載中。
著書は『ほったらかしでもなぜか貯まる!(主婦の友社)』『超ど素人がはじめる資産運用(翔泳社)』など多数。




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