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第3回 住宅購入について-2 <購入物件の適正価格とは?>

第3回 住宅購入について-2 <購入物件の適正価格とは?>

●住宅ローンを借りるなら年収の5倍程度まで。足りなければ頭金で!

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スビィくん

買う物件の適正な価格って、どう考えればよいのですか?

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風呂内先生

適正な価格については、いくつかの指標で考えるのがよいと思います。
住宅ローンは年収の5倍程度だったら返しやすい、とよく言われていますが、年収の5倍というのは悩ましいところ。世帯年収でみると2〜3倍でも心配と言いながら買う、とても堅実な人もいます。
一方で、世帯年収の2〜3倍ということにすると、現実的に物件が買えない人も多いので、現実的に物件が買えて、かつ返せるだろうという現実的なラインとして、5倍が紹介されることが多いです。
例えば、500万円の年収の人だった場合には、ローンは2500万円まで、ということになるわけですが、それと、自分が買いたいと思っている物件の価格にギャップがある場合には、その分、頭金を準備できれば理想的ですね。

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年収の5倍というのは、購入する価格? それともローン?

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ローンを組む価格ですね。
理想を言うと住宅ローンが年収の3倍くらいだとゆとりがあります。安全に返済でき、かつ現実的に物件を取得できるという観点なら、5倍くらいまでにおさえたいですね。
夫婦で働いて、世帯年収の何倍かみたいな観点でみるとしたら、片方の年収は半分くらいで見立てたほうが良いです。今後、子どもが産まれたり、有事の際にフルでは働けないといったところを見越して、片方を半減してみるというのがおススメです。
共働きのカップルは、2人とも収入を得ているのは最強の状態だということに、その時には気が付かないので、人生最大の一番パワフルな時期であるというのを意識して、控えめに買うことが大事だと思います。

●購入前と後の住居費を比較して、あまり変わらないなら安心

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あとは、単純に、いま払っている住居費と、今後払うことになるであろう住居費を正確に比較してみようというのが、ひとつ、観点としてはありますね。
いま払っている住居費だと、家賃と共益費。
購入後は何を比較するのかというと、毎月のローンの返済の金額プラス2〜3万円足した金額が、今払っている家賃等と同等になるかどうかで、現在と生活をあまり変えないで済むかどうかをひとつ目安にすると良いでしょう。

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その2〜3万円とは何の費用ですか?

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マンションの場合は、修繕積立金、管理費、毎年かかる固定資産税を月割りしたもの。2〜3万円はあくまで概算なので、買おうと思っている物件の修繕積立金とか、管理費、固定資産税がわかっていれば、その金額を足しこんで比較するのが良いでしょう。
戸建ての場合は、強制的に徴収されるわけではないけれど、未来の修繕に備えて、かかる金額を想定しておきます。
いまこの状態で貯蓄ができていれば、引越後も貯蓄もできるだろうと思いますが、 現時点で、かつかつで貯蓄が全然できないという状態だとしたら、そもそも現時点での住居費が適正ではないので、買うことを契機に、家計を抑えないといけないから、意外とグレードは上げられないかもしれない。
理論上は、家を貸す大家さんは、自分が払っている金額よりは、ちょっとは色をつけて貸したいわけですから、本当に同じ物件を借りるのと、買うのだったら、おそらく買うほうが安くはなりますね。借りている物件をそのまま買えるケースは少ないですが。

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買うときって、今住んでいるところよりもグレードを上げたくなりますよね。

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そうですね。でも借りる人はそんなことは思わない。借りるときは、グレードが上がるくらいだったら、家賃を下げてほしいと思うので、買う人とはギャップがある。
買った物件を将来貸せばいいじゃない、と考えるなら、買う人と借りる人の価値観がズレがちだということを知っていなければいけません。
皆が憧れるような物件を買っても、なかなか「貸す」という市場では難しくて、 安定して貸したいのだったら、買うときに、「え? このサイズで良いの?」と思われるもののほうが、わりと無難に問題なく貸せることが多いです。

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確かに、設備とかも、ユニットバスの家を買う気にはならないけど、借りるんだったら、ユニットバスでいいや、となるかも。

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そこはすごい乖離がありますね。 買うときには、50uを切る物件は買いたくない気がしますが、東京の山手線の内側の物件だと、意外と40〜60uくらいはすごく良い、貸しやすい物件だと思います。
ただ、50uを超えていないと、自宅であれば使える各種制度が使えないため、自ずと55〜60uくらいの物件を、山手線の内側に買う、というのがひとつのパターンになるかと思います。

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23区内で将来貸すことも視野に入れて購入を検討するなら、その家賃の200倍の価格の購入金額なら超理想的。10万円で貸せそうな物件を買う場合、その200倍、2000万円で買えると最高ですね。一般的な新築物件だと300倍くらいで売っているところが多いです。
家賃10万円だと年間120万円取れる物件を、2000万円で買うわけだから、表面の利回りが6%。実際には新築物件で6%は23区内だとほぼ無いですね。表面利回りの計算だと4%を切る物件(今回の例だと物件価格3000万円以上)も一般的なので。想定家賃の200〜300倍、どこで折り合いをつけるかという視点で候補となる物件や、価格交渉をしてみると、落とし所が見つかるのではないでしょうか。
スペシャルな物件は出ないと考えましょう。スペシャルかどうかより、自分の支払能力の中で順調に返していけるかとか、求めた物件に辿りつけるか、といったところを重視するほうが良いと思います。

 
◎明暗を分ける? 50u以上の物件かどうか注意!
不動産は、50u以上でなければ、税制の条件に当てはまらないことが多々あります。住宅ローン減税は、50u以上でないと受けられず、住宅取得にまつわる親からの贈与の非課税も使えません。また、自宅を売却するときの利益は「3000万円まで非課税」という特別控除がありますが、これも50u以上でなくては受けられません。
50uは、不動産登記上の「内法(うちのり)」の面積で判断します。チラシは壁の半分の面積が含まれる「壁芯(かべしん・へきしん)」表記が一般的なため、注意が必要です。

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◆風呂内亜矢氏(ファイナンシャル・プランナー)プロフィール◆

1級ファイナンシャル・プランニング技能士、CFP®認定者、宅地建物取引士、全国銀行協会 金融経済教育活動懇談会委員
貯蓄80万円しかもたずマンションを衝動買いしたことをきっかけにお金の勉強を始め、2013年にファイナンシャル・プランナーとして独立。
テレビ、ラジオ、雑誌、新聞などで「お金に関する情報」を精力的に発信している。
『あさイチ』(NHK)、『有吉弘行のダレトク!?』(フジテレビ)などのテレビ出演のほか、NIKKEI STYLE『マネー研究所』、読売新聞『OTEKOMACHI』、東洋経済オンライン等でコラムも連載中。
著書は『ほったらかしでもなぜか貯まる!(主婦の友社)』『超ど素人がはじめる資産運用(翔泳社)』など多数。




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