2019/11/10

わたしがもっと素敵になる、くらしとお金のヒント
  第16話 40歳になったら手取りが減る?
       覚えておきたい「介護保険料」について

わたしがもっと素敵になる、くらしとお金のヒント
第16話 40歳になったら手取りが減る?
覚えておきたい「介護保険料」について

(写真=Photographee.eu/Shutterstock.com)

40歳になると介護保険料の徴収がスタートすることをご存じでしょうか。給与から天引きされるため、急に手取りが減って驚く人もいるかもしれません。介護は費用面でも大きな負担がかかるもの。介護にかかる負担を少しでも軽減するためにあるのが介護保険制度です。私たちの将来を支える介護保険料、ただ徴収されるだけでなく、制度についてもきちんと把握しておきましょう。

■介護保険料はいつから徴収される? 計算方法もチェック

まずは、介護保険料が発生するタイミングと計算方法について確認していきましょう。

●介護保険料は給与から天引き! 40歳になる誕生日の前日から

介護保険料の加入が義務付けられているのは40歳から。40〜64歳までの被保険者は加入している健康保険に併せて徴収され、65歳以上の被保険者の場合、年金からの天引きで市町村から徴収されます。介護保険料の納付は40歳になる誕生日の前日からスタート。9月徴収なら10月の給与から天引きされることとなります。9月1日生まれの場合は8月31日から対象となり、9月の給与からの天引きです。

給与をもらったときに、「あれ、いつもより少ない?」と慌ててしまわないようにしっかりと把握しておきましょう。

●介護保険料として徴収されるのはどのくらい?

介護保険料は介護設備の整備や要介護者の人数などが自治体によって大きく差があるため、地方自治体により計算方法が異なります。基本的には介護保険料の算出式は「標準報酬月額」×「介護保険料率」です。ここでの標準報酬月額とは、交通費や残業代まで含まれたもの。介護保険料率は自分が加入している健康保険組合によって異なります。

例えば加入者が最も多い協会けんぽ(全国健康保険協会)の場合、介護保険料率は1.73%です。月収30万円の人では、30万円×1.73%=5,190円が介護保険料です。介護保険料は勤務先と被保険者で折半となっているため、2,595円を毎月支払うこととなります。

また、介護保険料は賞与からも徴収されます。介護保険料を計算するときは、1,000円未満を切り捨てた金額が標準賞与額となります。

例えば、1回の賞与額が60万900円だった場合、900円は切り捨て60万円として計算し、60万円×1.73%=10,380円が介護保険料です。こちらも給与と同じく勤務先と折半になるため、天引きされる介護保険料は5,190円となります。これが協会けんぽに加入している場合の介護保険料です。

■介護保険制度とそのサービス内容を紹介

新しく徴収される介護保険料。介護保険制度を支えるものですが、ここからは介護保険制度の対象者とサービス内容についても確認していきましょう。

サポートの手

●介護保険とはそもそもどんな制度?

介護保険制度とは、自分や家族の老後の介護をサポートしてくれるもの。みんなで保険料を負担し、介護が必要な人が活用できる仕組みです。介護を必要とする人が適切なサービスを受けられる社会作りが大きな目的。核家族化や高齢社会により、家族だけで介護をするのが難しくなっている現代、介護者もその家族も安心して過ごせる社会を目指し、2000年4月に施行されました。

●介護保険サービスの対象は?

介護保険の加入者には第1号被保険者(65歳以上)と第2号被保険者(40〜64歳まで)という分類がなされています。どちらも保険料の支払い義務が課されているのは同じですが、受給の対象となるのは第1号被保険者のみ。第2号被保険者は指定の16疾病で介護認定を受けた場合のみサービスが受けられることとなります。

●介護保険制度で受けられる介護サービスとは?

介護保護サービスの必要性が認められれば、介護保険制度による介護サービスを受けることができます。介護認定には1〜5の要介護度があり、それにより受けられるサービスが変動、所得に応じて1〜3割は自己負担です。また、要介護度によって1ヵ月に利用できる限度額が異なります。

介護保険制度で受けられるサービスは、大きく分けて
・居宅サービス
・施設サービス
・地域密着サービス
があります。

居宅サービスとは自宅に住む人のためのサービスです。例えば訪問し家事や入浴、排せつなどをサポート、デイサービスやデイケアなどを受けることができます。施設サービスは施設に入居するサービスです。特別養護老人ホームや介護老人保健施設、介護療養型医療施設などに入居し、生活や療養のサポートを受けることとなります。

2006年に新たに加わった地域密着サービスとは、介護が必要になってもこれまで住んでいた地域で生活ができるよう、地域がサポートするサービスのこと。定期巡回や夜間対応型訪問介護などサービスの内容は多岐にわたりますが、地域住民と交流を持ちながら介護サポートを受けることができる仕組みとなっています。

杖

■介護保険料について正しく把握してマネーリテラリーを高めて

40歳になると一律義務付けられる、介護保険料。自分や家族にはまだまだ先のことと思っていても、介護が必要な状況はいつ訪れるか分かりません。

また介護保険料に関わらず、給与から天引きされている自分のお金が、何に使われていて、それが自分や社会にどう役に立つのかを把握しておくのは大切なこと。いつもさらっと見てしまいがちな給与明細ですが、40歳の誕生日を機にじっくりと見てはいかがでしょうか?


この記事が気になった人は、こちらの情報もチェック!

PAGE TOP

PAGE TOP