2019/9/22

わたしがもっと素敵になる、くらしとお金のヒント
  第14話 転職する時は知っておきたい! お金にまつわる手続き5選

わたしがもっと素敵になる、くらしとお金のヒント
第14話 転職する時は知っておきたい! お金にまつわる手続き5選

(写真=photoAC)

転職が珍しくなくなった現在。転職すると税金や健康保険、年金など、さまざまな手続きが必要になります。つい後回しにしてしまいがちですが、手続きが遅れるともらえるはずのお金が減って損をする可能性も……。今回は、転職の際に気をつけたいポイントをまとめました。転職を考えている人は、事前に知ってチェックしてくださいね。

■転職をする時に注意したい5つの手続き

転職前後に必要になるさまざまな手続きについて、注意点などを交えて具体的に紹介しましょう。

■手続き1:失業保険――管轄のハローワークへ

失業給付は、離職中の生活維持や再就職支援のために雇用保険から支給されるお金です。退職したら自動的にもらえるわけではなく、自分で居住地の管轄ハローワークに行き、所定の手続きをしなければ支給されません。

失業給付を受給できるのは、原則として退職日の翌日〜1年間です。手続きが遅れるとその分給付が少なくなってしまう可能性があるため、手続きは退職後すぐに行いましょう。給付金がもらえる期間は、雇用保険の被保険者であった期間や年齢、退職理由などによって異なります。

ハローワークで「求職申込書」に記入し、受給資格の認定手続きが完了次第、「ハローワークカード」と「雇用保険受給資格者のしおり」が発行されます。後日、指定された日時に行われる「雇用保険受給者初回説明会」に参加すると、「雇用保険受給資格者証」などが手渡され、その後、第1回目の失業給付が振り込まれます。

ちなみに自己都合退職と会社都合退職で受給できる条件は違います。自己都合退職の場合は離職日以前の2年間で、雇用保険の被保険者期間が1年以上あることが前提で、待機期間7日間満了後、3カ月の給付制限期間があります。会社都合退職の場合は離職日以前の1年間に、被保険者期間が6カ月以上あることが条件で、7日の待機期間が終了すれば、すぐに基本手当の支給が開始されます。

自分がどちらに当てはまるのか、退職前に確認しておきましょう。

■手続き2:国民年金――原則14日以内に国民年金の窓口で種別変更手続きを

年金手帳

日本では、すべての人が年金制度に加入する「国民皆年金」の原則が定められています。在職中に厚生年金(第2号被保険者)に加入していた人が退職し、転職先が未定の場合は、国民年金(第1号被保険者)への種別変更の手続きが必要になります。

手続きは退職日の翌日から14日以内に、居住地の市区町村役場の国民年金窓口や年金事務所で行います。手続きに必要なのは年金手帳と離職票、印鑑などです。

国民年金の保険料は、発行された納付書を使って自分で納付します。月の途中で退職した場合は、その月から第1号被保険者としての保険料を納付します。なお、同じ月内に退職して再就職した場合は、国民年金に切り替える必要はありません。

もし14日以内に種別変更の手続きを行わなかったとしても、自宅に国民年金保険料の納付書が届きます。納付が滞るとその期間は「未納期間」とみなされ、将来もらえる年金額に影響が出ます。納付書の案内に従って、忘れずに保険料を納付しましょう。「収入がない中で年金を払い続けるのは、生活が心配…」という人は、免除や納付猶予制度もあります。

いずれにせよ、窓口での申請が必要になるので、「退職したら年金窓口へ」と覚えておきましょう。

■手続き3:確定申告――年内に再就職しなかった人は確定申告が必要

確定申告とは、前年1〜12月の所得総額を申告するものです。毎月の給与から源泉徴収されていた所得税総額はおおよその金額なので、確定申告によって実際の所得税額を割り出し、差額を精算します。転職した年の年末までに転職先が決まっていれば、その会社で年末調整を受けられるので確定申告は必要ありません。

しかし、会社で年末調整を受ける前に退職した人で、その年の12月31日までに再就職しなかった人や、転職先で年末調整が受けられなかった人は、源泉徴収票などの必要書類をそろえて、自分で確定申告をする必要があります。確定申告をすると、払いすぎていた所得税が戻る可能性があります。しかし申告をしなかった場合は、所得税の還付が受けられない上、無申告加算税が追加されてしまう場合があるので注意しましょう。なお確定申告の期間は、例年2月16日〜3月15日です。

■手続き4:健康保険――国保または任意継続に加入する

病院と四葉のクローバー

日本では、誰もが必ず医療保険制度に加入する「国民皆保険制度」が義務づけられています。退職すると、在職中に加入していた「健康保険組合」や「協会けんぽ」などの被用者保険からは脱退することになり、次の職が決まるまで「国民健康保険」に加入する必要があります。

手続きを行うのは、居住地の市区町村役場内にある国民健康保険窓口で、在職中の被用者保険の被保険者資格を失ってから14日以内に行わなければなりません。手続きをしなかった場合、在職中の被保険者証(いわゆる保険証)が使えないため、医療費が全額自己負担になってしまいます。

なお、在職中の被用者保険から脱退後20日以内に手続きをすれば、2年を限度に今までの健康保険を継続できる「任意継続」という制度を利用することもできます。

■手続き5:企業型確定拠出年金――再就職先に企業型DCがあるかないかをまず確認

転職前の会社で「企業型確定拠出年金(企業型DC)」に加入していた人は、転職先に企業型DC制度があるかどうかで、必要な手続きが変わります。転職先に企業型DC制度がある場合は、あらためて転職先の制度に加入し、自分の年金資金を移管する手続きをしましょう。

転職先に企業型DC制度がない場合や専業主婦(夫)、自営業になる人は、個人型確定拠出年金「iDeCo(イデコ)」の口座を新たに開き、そちらに年金資産を移管できます。移管手続きは退職から6カ月以内に行う必要があります。手続きせずに放置していると、資金が国民年金基金連合会に自動移管されてしまいます。この場合、資産の運用はできず、管理手数料が引かれるなどのデメリットが発生するため、早めに対処しましょう。

■転職前後は、健康保険や税金の手続きをお忘れなく!

転職前後は年金や健康保険、税金など、慣れていないと戸惑う手続きが集中します。忙しさを理由に放置したり先送りしたりしていると、さまざまなお金のデメリットが生じかねません。転職活動を効率よく進め、新たな職場で活躍するためにも、忘れずに手続きを行いましょう。


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