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現在、生命保険の世帯加入率は約9割※1と言われています。しかし、保険種類や期間、金額など、生命保険に加入するには決めなくてはならないことがたくさんあるので、「どのような保険に入れば良いのかわからない…」と迷っている方も少なくないのではないでしょうか。そのような方に向けてこの記事では、生命保険の種類や選び方を解説していきます。
すでに生命保険に加入している方も、見直しの参考にしてみてください。
※1 生命保険文化センター「平成30年度生命保険に関する全国実態調査」より
まず始めに、生命保険がどのようなものなのかを説明します。生命保険とは、私たちの生活に存在するリスクに対して備えるためのものです。加入者で公平にお金を出し合い、万が一のときはその中から保険金や給付金を受け取ることができます。生命保険は、このように助け合いの性質を持っていることから「相互扶助」の精神によって成り立っていると言われています。
又、生命保険には広義の意味と狭義の意味があります。広義の生命保険とは、死亡や病気、ケガ、介護など人の生命や健康に関するリスクに備える保険全般のことを指します。一方で狭義の生命保険とは、死亡したときのリスクに備える保険、すなわち死亡保険のことを言います。ここでは混乱を避けるために狭義の生命保険のことは「生命保険(死亡保険)」と表記します。
では次に生命保険の種類を見ていきましょう。生命保険には様々な種類があって複雑そうに感じますが、保険金がどのような場合に支払われるかによって大まかに4つの基本形に分類することができます。
契約してから満期を迎えるまでの間に被保険者が死亡又は高度障害状態※2になった場合に限って保険金が支払われる保険です。先にご説明した狭義の生命保険(死亡保険)のことですね。死亡保険のうち、保険期間が10年間や20年間、又は65歳まで、などと定められている保険を定期保険といい、保険期間が一生涯にわたるものを終身保険といいます。又、終身保険に定期保険を上乗せした定期保険特約付終身保険は、一定期間、死亡保障を大きくすることができる保険です。
※2 高度障害状態は、具体的には次のいずれかの状態をいいます。
契約してから満期を迎えるまで被保険者が生存した場合に限って保険金が支払われる保険です。
老後の資金を準備する「年金保険」や、子どもの学費を準備する「学資保険」などが挙げられます。しかし実際には生存保険単体ではなく、死亡保険の要素も組み合わせた保険がほとんどです。
名前の通り、死亡保険と生存保険を組み合わせた保険です。
契約してから満期を迎えるまでの間に被保険者が死亡又は高度障害状態になった場合か、もしくは契約してから満期を迎えるまで被保険者が生存した場合に保険金が支払われます。代表的なものは養老保険と言い、死亡や高度障害状態になった場合に支払われる保険金と、満期まで生存した場合に支払われる保険金が同額になる保険です。
上に挙げた死亡保険・生存保険・生死混合保険は、人の生死を主な支払事由としていますが、病気やケガなどの場合に保険金が支払われるものもあります。一番メジャーなものは医療保険ですね。他にも、がんに特化したがん保険や介護のリスクに備える介護保険、働けなくなったときのリスクに備える就業不能保険などがあります。
生命保険の種類を説明しましたので、次は生命保険(死亡保険)の選び方に焦点を当てて解説していきたいと思います。
生命保険(死亡保険)を選ぶときに押さえるべきポイントは、保険期間と必要保障額の2つになります。
まずは保険期間ですが、先にご説明したように生命保険(死亡保険)には期間が定められている定期保険と、一生涯続く終身保険があります。一定期間の保障額を用意することで保険料を安く抑えたいという方には定期保険、一生涯の保障を用意したいという方には終身保険がおススメです。又、一生涯の保障を確保しつつも、子どもが独立するまでの間は保障を大きくしたい、という方には定期保険特約付終身保険がおススメです。
もう1つのポイントが必要保障額です。死亡保険金は少なすぎるといざというときに困ってしまいますし、かといって多すぎても保険料を無駄に払うことになりかねません。ご自身にとって必要となる金額だけを備えるようにしましょう。では必要保障額とはどの位になるのでしょうか? 必要保障額は遺族の支出見込み額から遺族の収入見込み額・貯蓄額を差し引いて求めることができます。詳しい内訳を見ていきましょう。
遺族の支出とは具体的に、生活費や子どもの学費、住居費や葬儀費用などです。
生活費がどのくらい必要になるかですが、現在の生活費の7割程度を子どもが独立するまでの期間分用意しましょう。又、子どもの独立後は、現在の生活費の5割程度を配偶者の年齢に応じた平均余命までの期間分用意するのが一般的です。
ちなみに住居費に関しては住宅ローンを組んでいる場合、団体信用生命保険に加入することがほとんどですので、亡くなった場合、住宅ローンは保険金で返済されます。現在のお住まいが賃貸なのか持ち家なのかによって住居費の支出見込み額が変わることを覚えておきましょう。
次に遺族の収入・貯蓄ですが、これは遺族年金や、貯蓄、配偶者の収入が挙げられます。
またお勤めの方であれば、お勤め先から死亡退職金が支払われる場合もあります。こうした収入や貯蓄で足りなくなる分を、死亡保険金で補うイメージです。生命保険(死亡保険)に加入する前に、公的な保障やお勤め先の保障による収入がどれくらいなのかも把握しておきましょう。
生活費や収入が人それぞれであるように、適正な保障金額も人それぞれです。上記を参考に、ご自身にとっての必要保障額を考えてみてください。
さて、ここまで生命保険(死亡保険)の選び方をご説明しましたが、生命保険(死亡保険)は見直しも大切です。なぜならライフステージの変化に伴い、必要な保障やリスクも変わってくるからです。保障が不十分でいざというときに困ってしまう、又は必要以上に大きな保障で保険料を無駄にしてしまっている…ということを予防するために、保険はしっかり見直しをして、そのときどきにぴったりなものを選びましょう。
では具体的にどんなときに保険の見直しが必要になるでしょうか。主に挙げられるタイミングとしては、結婚・子どもの誕生・子どもの独立・定年退職などがあります。例えば子どもが増えれば、今までの保障金額に子どもの生活費や教育費もプラスしなければなりませんよね。
又、保険料が高すぎると感じている方も一度加入している保険を見直してみましょう。保障が必要な期間と必要保障額を見直すことで今より保険料を抑えることができるかもしれません。
「保険は昔に加入したきりだ」「保険の見直しをしたことがない」という方は、ぜひ一度その保障が今の自分に適しているかを考えてみてください。
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